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元添乗員の国外逃亡旅行記

BUY THE TICKET. TAKE THE RIDE.

ファッションで巡るギリシャ 色彩溢れる海の風景を訪ねて④ ~ザキントス島 ザキントスタウン~

クロアチアスロベニアを経てギリシャのメテオラ、アテネを巡った一人旅も、日本から来た母と妹を加えて賑やかな3人旅に。スタイルアドバイザーとしてIGや雑誌、ウェブコンテンツを中心に独自のコーデ術を発信する妹(IGID:miho0319kawahito)による旅に合うファッションコーデと、私の旅プロデュースとの姉妹コラボも今回のテーマの一つ。そしてこれからは、毎回旅気分が盛り上がるキャッチ―な曲も同時にご紹介。夢のように美しいギリシャの絶景と共に、ぜひぜひお楽しみ下さい!【旅行時期:3月末~4月上旬】※iphoneの方は記事を読みながら同時にyoutubeを開けないですが、好きなタイミングで聴いてみてください。

 

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窓から差し込む朝陽で目が覚める。お天気は上々だ。

 

今日は日本ではほとんど情報が得られなかったザキントスタウンの街を散策してみようと思う。

 

まずはホテルの中二階にあるレストランで朝食をとろう。

 

ホテルダイアナはこじんまりしていて、今の時期はまだ宿泊客もほとんどいなかったが、朝食レストランにはパンの焼ける良い匂いやコーヒーの芳ばしい香りが漂い色々と美味しそうなものがきちんと揃っていた。

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数種のパンやフレッシュなオレンジジュース、ギリシャヨーグルトはもちろんのこと、それに合う地元の蜂蜜、小さなパンケーキやグリークサラダ・・・いつも美味しそうなビュッフェではついつい取り過ぎてしまう。

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挽いたコーヒー豆を煮たてるグリーク・コーヒーの小鍋が置いてあるのがギリシャらしい。

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まだ朝であったが、外に出ると既に太陽が眩しい。真っ青な空はギリシャ特有だ。

 

散策はまず、ホテルを出てすぐの広場から始まる。

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小さな広場には今の時期外国人よりも地元民やギリシャの他の島から来た人々が楽しげにカフェでくつろいでいる。

 

そこからソロモス広場方面に歩いてゆくと、すぐ海に出る。

 

ギリシャらしい強い日差しは降り注ぐけれど、夏本番にはまだ遠いため暑すぎずとても心地が良い。少し歩いて上着が要らなくなる程度である。

 

小さな湾になっているザキントスタウンの港は、波が無くとても静かだ。そして、ここにもクルーザーや漁船、大小様々な船が停泊し港町の情緒を高めている。

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イオニア海をバックにすると背景には空と海以外何もないが、ここではそれさえも立派な背景になってしまうのである。

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本日のファッション。母はザキントスの海の色とピッタリ合う、ターコイズブルーのサマーニットを白いパンツ、ネイビーのジャケットに合せることでノーブルに。

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妹は、これまでのリゾートルックから一転してタウンスタイルを意識したタイトスカート。おもちゃ箱のようにカラフルなザキントスタウンにベストマッチなギンガムチェック柄で、遊び心のあるコーデに。レモンイエローを指し色にもってきたのがポイント。

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私は港のブルー、そしてカラフルな街に合せ、デニム×ネイビーで全身をブルートーンにまとめたコーデ。デニム素材のシャツでカジュアル感、白いシューズで抜け感を出したところがポイント。

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そのまま海沿いを、南北に長く広がるザキントスの街に沿うようにして歩いてゆく。

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ふと顔を上げると、空と海の光沢のあるブルーはまるでどっちが空で海か区別がつかないくらい鮮やかだ。そしてそれにザキントスの街並みがアクセントを加えている。

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ほぼ地元民しかいない今の時期、港沿いは彼らの恰好の散歩道であり憩いの場。いくつもあるベンチに腰掛け、ただただ美しく穏やかな海を眺めてるというだけでも、ここでは十分娯楽の一つになってしまう。

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港の中心部に近付くにつれて漁船が多くなってくる。そして、この時期はのんびりと水揚げ作業をする漁師たちの姿が目立つ。

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彼らは例外なく陽気だ。一般的に、南へ行けば行くほど人々の気質は陽気になる。南北に長いイタリアなんかはその典型で、同じイタリア人といっても北のフィレンツェ人と南のナポリ人では人種が違うといっても良いかもしれない。

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私はナポリシチリアに代表される南イタリア人が好きだ。そして、南イタリアのルーツは古代ギリシャであったことから、ギリシャ南イタリアの人々の雰囲気はとてもよく似ている。

 

カメラを向けても黙々と作業をする漁師も粋だが、

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たいていはこうなる。

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漁師たちはこぞって自分の獲ってきた魚を見せたがり、とうとう漁船の中にまで招き入れてくれる始末。

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フレンドリーで陽気、細かいことは気にしない、他人に優しく、自分にも優しい。人生を楽しむ基本の術はもしかしたら彼らにこそ学ぶべきなのかもしれない。

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ザキントスタウンの建物は、今までみたどの建物とも一致しない、ありそうで無かった形のものが多い。

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ギリシャ風、いやザキントス風とでも言ったら良いだろうか。南イタリアシチリア島の小さな町やなんかに似ている気もするが、何となく違う。

 

巨大地震によりほとんどが倒壊し再建されているので歴史的な建物という訳でもない。ただし、どことなく漂うクラシックな雰囲気と、現代的な要素のミックスされた、すこぶる不思議素敵な建物だった。

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港沿いを南の端まで歩いたところに、アギオス・ディオニシウス教会が立っている。

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1948年に建てられたこの教会は、ザキントス最大にして、巨大地震の被害を免れた僅か3棟の建物のうちの一つである。

 

入り口のモザイクは素晴らしい。

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内部は窓が少なく仄暗い。しかしよく見ると、厳かな金の装飾がキラリと光り赤絨毯と凝ったシャンデリア、そして古い木の内装が見事にマッチしている。偶像崇拝が禁止されているギリシャ正教の教会内には、よく見るとキリスト像やマリアの像など、立体的な聖人の像が一つも無いことに気付くだろう。

 

内部は写真撮影が禁止されていたのが残念だ。

 

仄暗い教会から出ると、ザキントスの空は一層明るく感じた。

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アテネで食べたバクラヴァを気に入った母と妹がもう一度食べたいといったので、カフェでバクラヴァを探すことにした。

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最初に入ったカフェではおいておらず、海沿いのあのカフェにあるよ、と教わった通りの店に入ることにした。

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頼んだのは、蜜の滴るザ・グリークスウィーツたち3つ。

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アテネで食べたバクラヴァは若者向けの現代風にアレンジしたもの。一度食べたら忘れられない、脳みそまでとろけそうな甘みのバクラヴァこそが伝統的なのである。

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カフェで休憩した後は、今度は港沿いから離れ街の奥に向かって歩いてみよう。

 

ザキントスタウンの建物はどれも、驚くほどカラフルだ。強い色彩は海と空の異常なまでの青さに負けていない。

 

歯医者の看板もこの通り。

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魚屋の店先も、こんなデザインなら、ふらっと入ってしまいたくなる。

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そして路地裏好きに欠かせない小路散策。ゆるやかな勾配の坂道をのんびりと上がってゆく。

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この辺りになると、土産物屋やタベルナの多い港や広場近くと違って、ひっそりとした静けさに包まれている。

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玄関先に挟まれた新聞、風にはためく洗濯物。

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ツーリスティックな空気が薄れ、そこで暮らす人々の息遣いが聞こえる。

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人知れず可憐な野花が咲く、そんな路地裏が私はたまらなく好きなのである。

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目の覚めるようなレモンイエローの邸宅が一際青い空に映えている。

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そのまま雑誌の1ページを飾ってもおかしく無い。

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こっそり塀を覗くと、それに気付いた犬が吠えたてる。

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家の主人に見つからないかとハラハラしながらその場を離れる。

 

レトロな乗り物が似合う街である。

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真っ赤なワーゲンが停まった邸宅は瀟洒な白いバルコニーをもっていて、脇には坂を下る小道がある。

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ふと視線を上げると、相変わらず区別のつかないほど青い空と海。それにオレンジがかった家々の屋根瓦のコントラストはハッとするほど美しい。

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樹木のアーチをくぐりながらそろそろ坂を下っていこう。

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ザキントスタウンの街のあちこちには、様々な店の看板があるが、それがまたなんとアーティステック。看板を撮って歩くだけでも写真集が出来そうだ。 

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壁の落書きや、何気ない扉、店先のデザインにも心を奪われる。

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日本ではまず見ない色使いも、この街なら違和感が無い。

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ザキントス島では、もはや良い人にしか出会わない。

 

警戒心が無くつまり人懐こい。かといって馴れ馴れしいという訳では無く、慎ましやかで親切だ。

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ふらりと入った雑貨屋のおばあちゃんは、今シーズン初めての客だと言って大喜び。それに加えて日本人が珍しいらしく、始終ニコニコと話しかけてくれる。しかし、商品をしつこく勧めるという訳では無く、なんだかとても居心地が良いのだ。

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結局、一目惚れした漁師のダイヤル式カレンダーを10ユーロで購入。 

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ダイヤルをある法則に従って合わせると、2004年からなんと50年間のすべての日付と曜日が分かるようになっている。

 

私が70歳近くになるまで、ザキントスで手に入れたこのカレンダーは時を刻み続けるのだと思うと、なんだかロマンチックじゃなかろうか。

 

海沿いに戻ってくると、喉がカラカラになっていた。ちょうど良いところに、ヨーグルトバーyo.coがある。

 

すっかり食べ慣れたギリシャヨーグルトだけでなくここにはクリーミーなヨーグルトシェイクも置いてある。

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キンキンに冷えたストロベリーフレーバーのヨーグルトシェイクと、ミルクの味が濃厚なフローズンヨーグルトをオーダーした。

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ショップのお姉さんが可愛らしかったので写真撮影を申し込むと、私写真写り悪いから、、と遠慮気味。

 

お姉さん、とってもキュートです!と押し切って撮らせてもらった写真がこちら。

 

少しはにかんだ笑顔が、やはりキュートな彼女だった。

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アイスクリームとケーキのショップ。

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八百屋。

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ホテルに一旦戻り、休憩する。この日はアテネへ戻るのだが、夜21時頃の便なのでかなり余裕がある。

 

ホテルダイアナのスタッフもとても親切で、事情を話すと何時まででも部屋を使って良いという。

 

昼のチェックアウト時間を大幅に過ぎて19時半まで部屋を使わせてもらって、これではもはや2日分ではないかと思うのだが、ノープロブレムだという。

 

アテネに向かう前に、早めの夕食をとっておくことにした。

 

タベルナの名前はギリシャ語で読めないが、タベルナがずらりと並ぶ港沿いを北から南に歩き、真ん中より少し北よりにある店である。

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通りを歩いている時に、テーブルに運ばれている料理がとてつもなく美味しそうだったので、ここに決めたのだった。

 

ギリシァに来て驚いたのが、オリーブの美味しさ。母のこの旅一番のお気に入りとなった。これまではさして食卓の主役となり得なかったオリーブは、ここではオリーブ食べたさにそれに合う料理を選んでしまうほど。この、少し黒みがかった茶色で大粒のオリーブ、これが肉厚で美味しいのである。

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隣のおじさんたちが頼んでいて美味しそうだったイカのリゾット詰め。ギリシャ版イカ飯とてもいうところだろうか。あまり皮の厚くない小ぶりのイカに、イカのダシが効いた汁気たっぷりの米が絡んでいくらでも食べられてしまう。

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そして、こちらのラザニア風のものは、ムサカに似ているが別物である。後でギリシャ人の友人に聞いたら、カネロ―ニャ・メキマという料理だそうで、ムサカよりももう少しコクがあり、チーズと挽肉の味がしっかりしているように感じた。

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そして、店の女主人に今日のおススメを聞いてオーダーしたのが、こちらのポークレッグ。中央ヨーロッパあたりで食べる堅くて汁気の無いポークと違って、びっくりするほどジューシーで柔らかい。骨からスルッとほぐれてしまう肉は、外はカリカリ、中はほどよく柔らか味を残しており、シンプルな味付けがバッチリだ。付け合せのポテトのフライはモチっとしていて甘く、どこで食べたものより美味しかった。

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全てを残さず平らげ、ホテルへ戻って帰る準備をする。

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広場には子供たちがボール遊びをしていた。そういえば、しばらくぶりに子供たちがこうしてボール遊びをしているのを見た。東京では久しくこんな風景を見ていないなと、なんだか懐かしい気持ちになった。

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帰りはコスタスさんのお兄さんにタクシーを回してくれるようお願いしてあった。

 

空港まではほんの15分程度、乗るのは21時過ぎの便である。

 

ザキントスの空港は片隅に小さなバルが一軒あるだけだったが、コーヒー一杯でいくらでも時間を潰せるほど思い出ができた。

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ケファロニア島、そしてザキントス島という、今回はイオニア海の島を巡るショートトリップであった。

 

たいした事前情報が無い状態での旅であったが、想像以上に、いやそれを遙に上回るほどに美しく、そして穏やかな島。温かい島民たち。

 

彼らは決して裕福では無く、むしろギリシャは今財政危機に見舞われているのだ。けれど、島にいる彼らはそんなことは一向に意に介していないように思われた。人が来れば精一杯もてなすし、お金はもしもらえたならそれで良い。それよりも人に満足してもらったかということに重きをおいているように感じられる。

 

また帰りたい、そういう風に思わせてくれる愛すべき島であった。

 

明日はアテネからサントリーニへと渡る。