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元添乗員の国外逃亡旅行記

BUY THE TICKET. TAKE THE RIDE.

クロアチア・スロベニア絵になる風景と、ギリシャの絶景聖地へ ② ~ブレッド湖•ザグレブ~

今回は前半を一人旅、後半は母と妹が合流して三人旅という形をとりました。まずは一人旅部分。三人旅部分ではまたタイトル変えます。クロアチアまでの乗り継ぎではパリに立ち寄りその後ザグレブへ。スロベニアの絵葉書のような湖や、驚くべきギリシャ正教の絶景聖地へと足を伸ばします。【旅行時期:3月末~4月初旬】

 
本日は、お隣の国スロベニアまで足を伸ばす。
 
スロベニアというと馴染みの無い方も多いかもしれない。
 
世界遺産の数は多くないものの、オーストリアやイタリアのアルプスと反対側に聳える雄大なユリアンアルプスの麓に広がる国で、のどかで爽やかな自然と小さく美しい街並みがこの国に魅力を持たせている。
 
さて、日帰りショートトリップということで、今回はスロベニア随一の美しいリゾート地、「アルプスの瞳」と呼ばれて名高いブレッド湖を目指すことにした。
 
アパートはザグレブ中央駅から徒歩すぐの所にあり非常に便利だった。
 
朝の6時台ではまだ少し肌寒く、駅までの道のりも自然と足早になる。
 
中央駅は、首都の駅としてはこじんまりしていて若干古びているように感じた。けれど、重厚な造りの駅舎はやはり味がある。
 
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中へ入ると、早くも郊外へ出かける客で駅舎は賑わっていた。
 
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シーズン中でもないので切符は着いてから買うことにしていた。まずは入って左手の通路にある切符売り場「INTERNATIONAL」の窓口へ行く。
 
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ブレッド湖まで最も行きやすく早い方法は、まずLESCE BLED駅まで一本で行くことだ。その先湖畔までは10分程度、バスが頻発している。
 
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切符を手に入れると安心だ。電光掲示板の時刻と照らし合わせ、少し駅舎を観察してみることにする。
 
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しかしまあ、なかなか鄙びた駅舎である。左右に伸びた通路の天井には鳩が巣をつくり、旅人たちの周りを飛び回っていた。
 
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列車はEC(ユーロシティ)、ヨーロッパ都市間特急だ。内部は快適。もちろんトイレもある。自由席だったので窓側を陣取った。
 
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国際列車で陸路移動する際に注意しなければならないのが”国境越え”だ。
 
特にヨーロッパ諸国間は、シェンゲン協定に加盟している国が多くそういった国同士の移動は国内移動扱いとなりパスポートも必要なければ入国審査も要らない。
 
ついつい、国境を越えていることを忘れがちになる。だからこそ、ヨーロッパに旅慣れていればいるほど注意が必要なのだ。
 
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ちなみに、スロベニアシェンゲン協定に加盟していない。したがって、クロアチアからスロベニアへ列車で越える時には国境の駅で入国審査が必要だ。
 
ここでパスポートを忘れていようものなら、入国できないということになってしまう。
 
 
ザグレブを発って1時間ほど経った頃だろうか。列車は国境の駅にゆっくりと停車した。
 
しばらくの後、物々しい入国管理官たちが車内に入ってきて、乗客一人ひとりのパスポートチェックをし、スタンプが押された。
 
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少し金額を払えばコンパートメントを予約できる。家族単位でコンパートメントを使っている乗客が多かった。
 
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3時間超、ようやくLESCE BLED駅に到着だ。降り立つと眩しいくらいの日差しが降り注いでいる。
 
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なんとなく、ザグレブとはまた一味違った空気を感じた。
 
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タイミング良くやってきたバスに乗り込み、運転手にお金を払うと10分程度でブレッド湖最寄りのバス停である。
 
小さなバス停で降りると、辺りはのどかそのもの。気温も上がり、上着は要らないくらいになっていた。
 
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バス停からまばらに歩く人々の流れについて行けば、すぐにブレッド湖が見えてくる。
 
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いてもたってもいられなくなり、駆け足で湖まで降りる。
 
湖畔には温かいけれど爽やかさのある風が吹きわたり、レース用のボートを漕いでいる人たちがいた。
 
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湖畔には青空の下あちらこちらにカフェやベンチがあり、人々は思い思い腰かけ、豊かな水を湛えたブレッド湖を眺めながらくつろいでいる。
 
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湖畔を1周の1/4ほど歩くと、すぐ近くにブレッド城と聖マルティヌス教会の尖塔が美しい姿を現す。
 
ブレッド湖を取り巻く景観は、「絵葉書のように美しい」という表現がまるで陳腐に響かない。
 
高さ100mの断崖に聳え、湖を見下ろすように立っている城の姿はなかなか圧巻だ。
 
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さて、この城には徒歩で登ることができる。
 
いささか傾斜はあるが、野花を愛でながら休み休み歩けば苦では無い。
 
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時々立ち止まって木々の間から覗く湖面の美しさにはっとする。
 
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城の入口でチケットを購入して中へ入ると、ブレッド湖を一望できる展望台がいくつかある。
 
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そこから下を眺めると、やはり溜息を漏らさずにはいられない。
 
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なんて穏やかで平和な風景なのだろうか。
 
緑に囲まれた静かな水面は陽の光でところどころ煌めく。遠くに霞むユリアンアルプス。吹き上げるそよ風。湖の中にはお伽話のような小島と教会。
 
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展望台の近くには、カフェと簡単な食事ができるレストランがある。私はここでランチにすることにした。
 
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もちろん、こんなお天気の日には、ここでは店内で食事をする人などいない。
 
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ただ、頼んでみて分かったがちゃんとした食事ではなくあくまでワインに合うチーズや生ハム類しか置いていなかった。
 
アルコールに弱い私は昼間からワインは飲まないが、生ハムの盛り合せを頼んでチビチビ食べることにした。
 
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スロベニアはワインもできる。城にはワイナリーもあり、土産にスロベニアワインなども良いかもしれない。
 
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城を後にすると、再び湖畔を歩いて戻る。
 
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城のちょうど対岸にあたる位置にはパークホテルというホテルがあり、オープンカフェブレッド湖名物クリームケーキを食べることができる。
 
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散策の最後にはここで城を眺めながらお茶をするとなんとも心地が良い。
 
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ハイシーズンに入っていない3月末は人もまばらで並ぶことも皆無、ゆったりとした時の中でここに流れる本来の時間を満喫することができた。
 
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帰りもバスで駅へ。だだっ広い道路沿いに小さな建物が一つあるだけの小さな駅。
 
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ただし、駅の周りを少し散策すれば牧歌的な風景が広がっていた。
 
ユリアンアルプス最高峰のトリグラフ山系が雪を被り、田園風景の背景に聳えている。
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小さな村の小さな教会はひっそりとして、観光客の姿はどこにも見えなかった。
 
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ザグレブからの日帰りなのでまだ日があるうちに発たなければならない。
 
短い間ではあったが、なんだか身体の奥深くからリフレッシュしたような気がした。
 
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しかし夕暮れのザグレブもまた、独特の魅力がある。
 
街の目抜き通り、イリツァ通りには重厚な建物のシルエット。若者たちが肩を並べて歩く。
 
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世界一短いと言われるケーブルカーを上がったところからは、街の赤茶屋根が眺められる。
 
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日が落ちてからは、イエラチッチ広場周辺のレストランには人が絶えない。
 
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今夜はクロアチア人の友人にオススメされていた地元民に人気だというレストランへ予約を入れてあった。昨夜は満席で入ることができなかったからだ。
 
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店内はこじんまりとしているが、所狭しと人で賑わい人気店というのも頷ける。
 
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一人で食べられる量は限られているので、店員さんにオススメを聞いた。
 
チキンのハーフグリルが良いだろうということで、これとクロアチアの白ワインを頼んだ。
 
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なんの変哲も無く見えるチキンのグリル、ところがこれが、なかなか頷ける美味しさだった。
 
海外で食べるチキンのクオリティに辟易していた私。こんな美味しいチキングリルは滅多にない。
 
ガーリックがかなり効いた厚切りの肉は少し濃いめの味付け。味にパンチがあり、何より焼き加減が絶妙だ。中身にちゃんと肉汁を残しつつしっかりと焼いてある。
 
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日本で食べるような繊細なキャベツの千切りが添えられているのも嬉しい。
 
そしてキャベツについているオレンジ色のソース。これがまたサルサソースのようなエキゾチックな味のするソースで、キャベツとの相性は抜群。
 
トータルとして一人ごはんには非常に満足できるものだった。この分だと他のメニューもなかなか期待できそうだが、そこが一人旅の難点でもある。
 
食後は街をぶらぶら歩き、路地の一角にある一軒のカフェバーへ。
 
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闇夜に紛れるようにしてさりげなく営業しているのは、アガサ・クリスティ作「オリエント急行の殺人」の舞台となった伝説の高級列車オリエントエクスプレスを再現したカフェバーだ。
 
オリエント急行自体は今も実際に高級列車として運行している。
 
かつてザグレブにもオリエント急行の停車駅があった。このカフェは、そんな時代の実際の車両の内装を使って完全に車内を再現している。
 
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一歩足を踏み入れれば、そこは走る高級ホテルと言われた豪奢な列車のコンパートメント。
 
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旅気分も更に盛り上がる。カプチーノを一杯飲み終える間に、9割方読んであった「オリエント急行の殺人」を読了した。
 
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さて、明日はいよいよクロアチアを発って、旅のメイン舞台となるギリシャの地へと足を踏み入れる。