以前働いていた会社のツアーに両親が参加してきました。添乗をしたことのあるツアーとほぼ同日程なので今回は2人が旅したチェコ、スロバキア、ハンガリーの旅行記を代筆します。【旅行時期:10月初旬】
最初の目的地、ハンガリーのブダペストまではオーストリア航空ルフトハンザとのコードシェア便にてウイーン乗継13時間程度。
ブダペストに到着するとすっかり日は落ちていた。中欧の古都らしい落ち着いた雰囲気の夜だ。
ホテルへチェックインすると、小腹を満たすため近くのレストランで腹ごしらえをした。
今回宿泊するホテルは、ソフィテルブダペスト。ドナウ川沿いにあり、鎖橋や王宮が臨める並外れた好立地と快適な部屋の約束された五つ星ホテルである。
ソフィテル ブダペスト チェイン ブリッジ (ハンガリー ブダペスト) - Booking.com
明朝からは早速全10日間、中欧の古き良き都を巡るツアーがスタートする。
昨夜は暗くて分からなかったが、朝目覚めると部屋の窓からはブダペストの美しい風景が広がっていた。
ソフィテルのロビーは吹き抜けになっており、開放的な雰囲気の中朝食をとることができる。
この日はブダペスト市内を歩く。
青空に聳えるマーチャーシュ教会。長い歴史の中で様々な建築様式に変えられた教会だが、現在はゴシック様式だ。屋根はハンガリーの三大名窯ジョルナイ焼で出来ている。
漁夫の砦は人気のスポット。
なぜなら、溜息の出るほど美しいドナウ河畔の風景が眺められるからだ。
英雄広場。
ブダペストの地下鉄は、ヨーロッパの地下鉄の中でもとりわけレトロだ。
通りはどれも賑やかながら落ち着いていて、少し気怠い午後のそぞろ歩きには丁度良い。
目抜き通り、ヴァーツィ通りにある老舗カフェ、ジェルボーには是非とも行っておきたい。
エリザベート・シシィも通ったといわれるこのカフェは、店内も流石の重厚感。
広場に面した席でパラソルの下、行き交う人々を眺めるのもまた趣がある。
さて、夕食は少しお洒落をしてドナウ川のディナークルーズといこう。
船が出航すると、黒黒と流れる夜のドナウにまるで光が浮かび上がるかのような夜景が、目の前を過ぎてゆく。
ブダペストのランドマーク鎖橋に差し掛かると一同から溜息が漏れる。琥珀色の光が黒い水面に反射して眩いばかりだ。
こういった歴史ある古都のライトアップの良いところは、派手過ぎないというところだ。
香港やマカオの近代的なビルが発する人工的な光線や、ラスベガスやドバイのようなド派手な光のショーも見応えがある。
けれど、ブダペストの街のような夜景もまた独特の魅力がある。
欧州の古い街を照らす控えめな光は、建物や街それ自体の歴史や重厚感といったものを尊重しつつうまく惹き立てているような気がするのである。
クルーズが終わった後も、印象的な琥珀色の夜景がいつまでも瞼の裏に残っていた。